超えるべき難所・今後の展望 中期的なビジネスマイルストーン 1. GPU(計算機)という前提条件 完全自動運転の開発は、「計算機をどれだけ回せるか」に大きく依存します。 End-to-End型の自動運転は、巨大なニューラルネットワークを学習させ、評価し、改善し続けることで精度を積み上げていく性質を持ちます。そのため、計算機は単なる開発ツールではなく、技術進展の速度と、組織の成長を規定する「資源」になります。 今後の難所は、単にGPUの台数を増やすことだけではありません。 大規模学習を安定的に回し続ける運用、学習・評価の回転数を落とさない設計、計算資源を改善の成果へ変換するための基盤整備まで含めて、計算資源を“戦力化”する必要があります。計算機が足りなければ、優秀なメンバーがいても改善サイクルは回りません。逆に、計算資源が十分でも、運用と設計が弱ければ成果に結びつきません。 したがって、計算資源の継続的な確保と、それを使い切る開発基盤の整備は、今後も中心テーマであり続けます。 2. データ収集という長期戦 完全自動運転に必要なのは「良い目」より「良い頭」ですが、その良い頭は、良いデータの上にしか育ちません。ロングテールへの対応力を高めるためには、高品質なデータを、十分な量、継続的に取得し続ける必要があります。ここでの難所は、単にデータ量を増やすことではなく、「どのような分布のデータが不足しているか」を見極め、狙って収集し、学習へつなぐ設計を持てるかにあります。 また、データは集めるだけでは価値になりません。 学習に適した形に整え、評価可能な形にし、改善サイクルに組み込む必要があります。データ収集・データセット整備・モデル開発が一体となって初めて、学習による性能向上が現実のものになります。今後は、実走データの拡充だけでなく、シミュレーションや仮想データの活用も含めて、ロングテールを学習対象に取り込むための仕組みづくりが重要になります。 高品質なデータをどう増やし続けるか。これは、技術進展のための最も大きな労力の一つであり、今後も避けて通れない難所です。 3. 優秀なメンバーを集め続けること 完全自動運転は、ソフトウェアと現実世界が密接に結びつく領域です。 モデル、データ、インフラ、車載統合、検証のいずれもが欠けると成立しません。そのため、組織として必要とされる専門性の幅が広く、かつ深い水準が求められます。 今後の中心テーマの一つは、優秀なメンバーを集め続け、組織としての学習速度を落とさないことです。ここでの難所は、単純な採用数ではありません。計算資源とデータの前提条件がある以上、組織の成長は「人だけ増やせばよい」という話になりません。 計算資源と開発基盤が整って初めて、優秀な人材の価値が最大化されます。逆に言えば、優秀な人材が集まることで、計算資源やデータ基盤をより強く運用できるようになります。GPU・データ・人は独立した要素ではなく、相互に依存します。 そのため、今後の展望において「優秀なメンバーを集め続けること」は、技術と事業の進展を左右する根本要素として位置付けられます。 4. 車載実装と量産という現実的な壁 研究段階で高い性能を示すことと、量産車に搭載できることの間には大きな隔たりがあります。 車載環境では、計算資源、消費電力、リアルタイム性、安全設計、冗長性、品質保証など、多くの制約条件が同時に課されます。完全自動運転が社会インフラとして成立するためには、技術的に動くことだけでなく、長期運用の前提を満たし続ける必要があります。 ここで重要になるのが、大手自動車メーカーやサプライヤーとの連携です。 量産車への搭載を前提とした開発では、技術の完成度だけでなく、品質管理、法規対応、サプライチェーンとの整合、開発プロセスの接続など、要求が一段階増えます。研究開発のスピードと、量産に求められる慎重さの間には常に緊張関係があり、その調整を含めて乗り越えるべき難所になります。 しかし同時に、この連携を通じて初めて、完全自動運転は「実験」から「量産」へ移行します。今後の中心テーマとして、量産への道のりを獲得し、実際に搭載へ接続するフェーズへ進むことは、技術と事業の両面で重要になります。 5. 今後の展望:GPU・データ・人を軸に、量産へ接続する 今後の展望は、単にモデル性能を高めることに留まりません。 完全自動運転を「成立する構造」として作り上げることが重要になります。その構造の中心にあるのが、GPU(計算機)、データ収集、そして優秀なメンバーです。 大量の計算機を回し続け、より良いモデルを作ること。 高品質なデータを継続的に取得し、学習と評価のループを回し続けること。 そのための設計と運用を担える優秀なメンバーを集め続けること。 これらは個別の論点ではなく、完全自動運転を現実に近づけるための中核的なテーマとして一体で進んでいきます。 そして、その積み上げの先に、量産車への搭載というフェーズがあります。 大手自動車メーカー・サプライヤーとの連携を通じて、車載実装と品質保証の壁を越え、社会実装へ接続する。この道のりは長く、難所も多い一方で、成功したときに初めて完全自動運転は“社会インフラ”になります。 チューリングは、GPU・データ・人という前提条件に正面から向き合いながら、技術と事業の両輪で完全自動運転を前に進めていきます。 Join us : 完全自動運転という難易度の高い課題を、様々なバックグラウンドを持つメンバーと取り組みませんか? エントリー 募集要項 もっと会社を知る インフラ・計算資源 これまでの挑戦と実績 チューリングのAI開発の概念・モデル チューリングのMLOps チューリングの自動運転ハードウェア 自動運転市場の動向・歴史