ミッション・バリュー(行動指針) ミッション We Overtake Tesla チューリングのミッションは、「We Overtake Tesla(テスラを超える)」という、あえて誤解を恐れない言葉に集約されます。 これは単なる競争心の表明ではありません。日本のモビリティ産業を、そしてAI技術そのものを、世界水準で再定義するという覚悟の宣言です。 世界がまだ迷っていた段階から、チューリングは「Day1からE2Eに懸ける」という道を選びました。カメラ画像を入力として、単一のニューラルネットワークが直接運転判断を行うこのアプローチは、LiDARやHDマップを前提とする従来型の自動運転とは一線を画します。 いま、世界の潮流は明確にE2Eへと向かっています。Tokyo30──東京の公道を30分以上、人間の介入なしで走りきったこの実証は、ミッションが単なるスローガンではなく、現実に近づきつつあることを示しました。 チューリングでは日々の開発の中で、ある問いが繰り返されます。 「これは本当にTeslaを超えるのか?」 モデルの性能、データの質、計算基盤、車載システムとの統合。そのすべてが、この問いに立ち返って評価されます。この問いそのものが、チューリングの意思決定基準であり、組織の羅針盤です。 スタートアップのミッションを「誰もが賛成できる言葉」にしてしまうと、何も言っていないのと同じになります。「AIで世界をよくする」「移動を便利にする」──どれも正しいですが、それだけでは、どこまで行き、どこで妥協するのかが曖昧になります。 世界への本当の革新は、常に賛否の分かれる場所から始まってきました。 だからチューリングは、あえて高く、好き嫌いの分かれる目標を掲げます。 「We Overtake Tesla」 バリュー(行動指針) The Bitter Lesson 「ヒューリスティックな調整ではなく、計算量によるスケーリングこそが長期的には勝利します。大きな視点で本質的な解決策を選びましょう。」 この言葉は、強化学習の父と呼ばれ2024年にチューリング賞も受賞したリッチ・サットン(Rich Sutton)氏の有名なエッセイ「The Bitter Lesson」にならっています。 彼のエッセイの中では、AIの進歩において、人間の知識やルールを教え込むこと(ヒューリスティックな調整)よりも、「汎用的なアルゴリズムと膨大な計算リソース(コンピューティングパワー)」を活用する方が、長期的には遥かに大きな成果を生むという教訓が記載されており、チューリングでは創業以来ずっとこの方針を大切にしてきていました。 Less is More 「コードも、モジュールも、会議も、同じ成果なら『少ない』ことが正義です。常に『削れないか?』と問いかけ、複雑さを排除して本質的な価値だけに集中しましょう。」 20世紀を代表するドイツ出身の建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエによって残されたとされるこのフレーズ。最近では多くの組織で意識したり取り入れられたりすることが増えてきたと思います。 組織は放っておくと、コードもルールも会議も、際限なく増えていきます。 「何かを増やすこと」は将来の可能性を減らすことを意味します。だからこそチューリングは「増やすこと」より「減らすこと」に価値を置きます。常に「何かを削れないか?」という視点を持つことが、私たちの行動規範です。 マシュマロをさしてみよう 「完璧な計画よりも、まずは手を動かして形にしてみることが大切です。迷いや先延ばしによるコストを軽視せず、早期の実行と改善を繰り返しましょう。」 「マシュマロ・チャレンジ」という有名なチームビルディングのゲームがあります。1つのマシュマロと数本のパスタとテープとロープを使い、最も高いタワーを作って、一番上にマシュマロをさすことのできたチームが勝ち、というシンプルなものなのですがMBAの学生よりも、幼稚園児のチームの方が高い塔を作ることが多いという結果が出ています。大人が「どう建てるか」を議論し続けている間に、子供たちは何度もマシュマロをさしては倒し、改善を繰り返すからです。 不確実な領域だからこそまず、「まずはマシュマロを刺してみる(試作する、動かしてみる)」。その瞬間に得られるフィードバックこそが、最強の学習材料になります。 チームは小さく、素早く、変化する 「チームは常に最小化し、リーダーを適正に応じて積極的に抜擢・交代します。激しい変化の中でも互いにリスペクトを持ち、対話を絶やさず連携しましょう。」 チューリングでは今まで数え切れない組織変更やリーダーの変更を行ってきました。開発方針の変更、競合環境の変化、試行錯誤の末に得られた新しい情報、新しい才能の成長、など組織変更の背景は様々ですが、組織やリーダーの役割というのは固定されたものではなく、かなり流動的なものである。というのがチューリングの考え方です。 私たちは、一人のリーダーが全員の顔を見渡し、阿吽の呼吸で動ける「最小単位」のチームを維持します。また、役割は固定された特権ではありません。フェーズに合わせて最適なリーダーに交代し、常に組織をリフレッシュし続けます。 それでも、前に進む 「大きな変化や進化には、しばしば摩擦や痛みが伴います。困難な意思決定や厳しい現実から逃げず、痛みを成長の糧として受け入れ、それでも前に進みましょう。」 創業から今まで、チューリングではたくさんの「つらい意思決定」を行ってきました。 感情的な痛みや、誰かに恨まれるかもしれない恐怖。それでも、痛みから逃げるための「保留」はしません。正解か分からなくても、決めて、前に進む。これがチューリングのスタイルです。 参考記事 note「We Overtake Tesla という勘違い」 note「チューリング、行動指針(バリュー)をアップデートしました」